今回は2,000年代に不眠を訴えられていた患者さんの臨床例です。
こちらの患者さんは、私と鍼灸学校で同期だった先生が診療されていた患者さんのお姉さんです。
私の住まいから近いということで、紹介して頂きました。
不眠とお腹が空かないという「うつ」傾向の症状があったため「心の病」として治療しました。
約半年間の治療の経過を記しました。
鍼灸治療院たけしたブログ 管理人
(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)
予診票
初診日
2,000年代 12月3日
性別・年齢
女性 73歳
主訴
不眠
現病歴
数年前から
既往歴
子宮筋腫、胆石、顔面神経麻痺、腰椎圧迫骨折
薬の服用
精神安定剤(ドグマチール)、睡眠導入剤(ハルシオン)、便秘薬
症状
- 眠れない
- お腹が空かない
- 胸やけ
- 足の冷え
- 首、肩のこり
- 疲れやすい
- 耳鳴り(両方)
- 寒がりで冷え症
- 便秘しやすい
- 足の指がべとつく
- 唇がヒリヒリする
- 胃炎
- 膝痛
- ドライアイ
治療経過
1回目 12月3日
肝虚証
はり治療
曲泉、陰谷、曲池、中脘、右天枢、右不容、左兪府、労宮、左内関、左上天柱、跗陽、肝兪、腎兪、霊台
左柳谷風池、左風池、右腸骨点
きゅう治療
霊台
2回目 12月6日
肝虚証
- 前回の治療から眠り良い
3回目 12月9日
肝虚証
- お腹は空かない
- 12月8日は睡眠薬服用後も寝付けず、牛乳とせんべいを食べてあと、寝付く
4回目 12月13日
肺虚証
- 最近は睡眠薬を飲んで眠れるようになってきた
5回目 12月16日
肺虚証
- 昨日は外出して疲れ、夜は緊張して寝つきが悪かった
- 「緊張があると眠れない」と自己分析
7回目 12月23日
肺虚証
- 寝つきが悪く、寝付くまで1時間位かかる
- 腰のしびれは、ほぼない
10回目 2000年代+X年 1月4日
肝虚証
- 睡眠△
- 唇のしびれは変化なし
13回目 1月13日
肺虚証
- 睡眠△
- 顔、腰、下肢のビリビリは無くなった
- 唇のしびれ、足のべたつきは変化なし
20回目 2月14日
肺虚証
- 睡眠〇
- 2月より週に1回の治療とする
23回目 3月7日
肺虚証
- 昨日は外出したが、疲れはなかった
- 目の違和感は治療後2~3日は良い
25回目 3月19日
肝虚証
- 精神安定剤を必要に迫られて、服用することがない
- 胃から何か上がって来る感じがある
27回目 4月2日
肝虚証
- 昨日は妹さんとデパートに出かけたが、心身共に疲労がすくなかった
- 胃の不快感
31回目 4月30日
肺虚証
- ゴルフスイングの練習で、左肩に痛み
- 外出後の疲労感が減った
32回目 5月7日
脾虚証
- 体調は良好
まとめ
約半年間の治療で体調良好となりました。
治療間隔としては、初診日からの3カ月間は1週間に2回、その後は1週間に1回でした。
睡眠薬を服用しても眠れなっかったのが、1回目の治療で眠りが良くなったのは驚きでした。
その後は、眠りが良くない日がありましたが、カルテを見ると外出した後に疲れがあると眠りが悪いという傾向がありました。
しかし、治療開始から3カ月を過ぎたころから外出しても、疲れにくくなり体調もより安定してきました。
32回目の治療の後は白内障の手術があり、鍼灸治療から遠ざかりましたが、今でも腰痛や肩、手首の痛みを訴えて来院されます。
その時に、「眠れてますか?」と質問すると、「睡眠薬は飲んでいますが、眠れます。」と返答があります。
今回は70代 女性の抑うつの症例を紹介しました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。