坐骨神経痛 男性

今回は2,020年代に座骨神経痛を訴えて来院された60代男性の臨床例です。

あぐらや正座を5分くらいしていると、左でん部から左ふくらはぎにかけて痛み、しびれが出るという症状でした。

病院で処方された痛み止めを服用するも効果がハッキリしないため別の治療法を考えていたそうです。

この方の奥様が以前にはり灸治療で痛みが取れた経験があったそうで、それを聞いてネットで検索をして当院を選んで頂きました。

座骨神経痛以外には特に症状はありませんでした。

約1ヶ月間の治療の経過を記しました。

院長

鍼灸治療院たけしたブログ 管理人

はり師・きゅう師 国家資格 有資格者

(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)

臨床歴15年

予診票

初診日

2,020年代 10月12日

性別・年齢

男性 69歳

主訴

左でん部からふくらはぎにかけての痛みとしびれ

現病歴

今年の5月から

ペインスケール(痛みの度合い)

一番辛い時を10としたら、今は8

病院での診断

座骨神経痛

その他の症状

足が冷える

体温・血圧・血糖値

36.5度・128-73・正常

薬の服用

痛み止め

治療経過

1回目 X年10月12日

腎虚証
理学検査
拇趾の底屈・背屈(+-)、Kボンネット(+)
はり治療
左復溜、左尺沢、左殿頂、左大腸兪、左腸骨点、フ陽、委陽、殿圧
きゅう治療
右腎兪、左大腸兪、左腸骨点、左殿圧、左殿頂
評価
・Kボンネット(+-)

2回目 10月13日

腎虚証
・昨日は家に帰ってから楽だった。
・今朝はいつもの朝より痛みが軽かった。
評価
・左フ陽に自宅でのお灸を指示。

3回目 10月15日

腎虚証
・車から降りる時が特に痛い。
評価
・座位での治療中、痛みはあるが座っていられる。

4回目 10月19日

肝虚証
・朝方が一番痛いし、車から降りる時が特に痛い。
評価
・左太もも裏の自発痛が軽くなる。
・靴下が履ける。(家では奥様にお願いしていた。)
・左足首を見ることが出来る。

5回目 10月21日

心包虚証
・靴下が自分で履ける。
・昨日は痛みが軽かった。
・昨日は腹が張って便が緩かったが、夕方には治まった。
評価
・座位での治療中も痛みを訴えない。
・階段を上がってくる動作が軽い。
・体を起こす時、寝返りをするときも軽い。

6回目 10月24日

心包虚証
・昨日は1回だけ痛み止めを服用。
・今朝は痛み止めを服用せずに車で来られた。
・今日は右でん部と右股関節が痛い。

7回目 10月28日

心包虚証
・靴下、靴の脱ぎ、履きが楽。
・痛み止めは1日に1錠、就寝前に服用。

8回目 11月4日

心包虚証
・痛みの度合い 8→2
・ほとんど痛みなし。
評価
・痛みがないことに喜ぶ。

9回目 11月11日

肝虚証
・痛み止めの服用を止める。
・ほとんど痛みなし。
評価
・治療終了。

まとめ

まとめ
私の見解

約1カ月、9回の治療で、左でん部からふくらはぎかけた痛みがほぼ完治しました。

坐骨神経痛などの神経系の痛みは痛みが軽くなったり、また痛みが戻ったりしながら良くなっていきます。

そして、坐骨神経痛の治癒の期間は3ヶ月から6カ月くらいはかかるのですが、こちらの患者さんは以外にも早く約1カ月でほぼ完治しました。

初診時に拇趾の底屈・背屈テストで異常がありませんでした。

このテストは病巣が深いと悪い方の拇趾に力が入りにくくなります。

そのテストで異常が無かったということは病巣は神経根ではなく神経周りの筋肉の緊張が原因ということが推測されます。

思ったよりも早く良くなったのは、そういう条件があったからではと思いました。

こちらの患者さん、最初は奥様に靴下を履かせてもらっていたそうですが、治療から10日目頃には自分で履けるようになって喜んでいました。

痛みなどで日常生活に支障があると、やっぱり不便です。

身の回りのことが出来ることは生活の質が上がり、やりがいにもつながります。

8回目の時はほとんど痛みはありませんでしたが、「念のためにもう1回来ます。」ということで9回目で治療終了となりました。

今回の症例は、60代男性の坐骨神経痛の治療の記事でした。