今回は2,000年代に胃の不調、食欲不振、不眠、首・肩こり、足が冷たい、不安を訴えて来院された患者さんの臨床例です。
身体症状と「不安」という精神症状があったため「うつ」傾向があると推測して、「心の病」として治療をしました。
こちらの患者さんは、3ヶ月前に2人目を出産し、その後から体調が優れなかったようでした。
1人目を出産した後も同じような症状があったと話していました。
約4ヶ月間の治療の経過を記しました。
鍼灸治療院たけしたブログ 管理人
(はり師:第 140155 号 きゅう師:第 139966 号)
予診票
初診日
2,000年代 4月30日
性別・年齢
女性 38歳
主訴
胃の不調、食欲不振、不眠、首・肩こり、足が冷たい、不安
現病歴
3/25から食後に吐き気
病院での診断
胃潰瘍
薬の服用
胃薬
辛さの度合い
一番辛い時を10とした時、現在9
主訴以外の症状
- 胃が痛い
- お腹が空かない
- 食欲がない
- 咳がでる
- 喘息
- 立ちくらみ
- 疲れやすい
- クヨクヨと思う
- 恐がりである
治療経過
1回目 4月30日
脾虚証
はり治療
右太白、右太陵、左外関、右三陰交、風池、缺盆、肩井、心兪、神道、左膏肓、右脾兪
大椎、大椎の上下のくぼみ(督脈上)、身柱、脊中、命門
きゅう治療
大椎、大椎の上下のくぼみ(督脈上)、身柱、脊中、命門
2回目 5月4日
腎虚証
- 初診日の翌日から調子が良くなってきた
- 食欲△、胃痛なし、睡眠〇、肩こり△、足の冷たさ△
3回目 5月9日
腎虚証
- 一昨日、昨日と調子が悪かった
- 頭のフラフラ、胃のもたれ
4回目 5月16日
心包虚証
- 心療内科を受診。不安神経症と診断
- 薬との相乗効果なのか、前回より調子が良い
- 今日はよく話す
5回目 5月25日
心虚証
- 前回、治療後、1週間は調子よかった
- 数日前、飲食店に行ったが気分が落ち着かなかった
- 胃痛あり、睡眠〇(眠剤服用)、便通(ややゆるい)
6回目 6月4日
肺虚証
- 不安感は軽減
- 胃痛あり、軟便、右肩の痛み、睡眠△、動悸
7回目 6月13日
脾虚証
- 一時の間、調子が良かった
- 軟便、睡眠〇(眠剤服用)、胃痛あり、動悸
8回目 6月27日
肝虚証
- 立ちくらみ、胃痛あるがキリキリとした痛さはない
- 食欲〇(空腹感あり)、便通〇
- 調子は良かったり、悪かったり
9回目 7月6日
肝虚証
- 胃痛なし、睡眠〇、食欲〇、便通〇
- 前回の治療後から調子がよく、今日も調子が良い
10回目 7月20日
肝虚証
- 調子よい、睡眠〇、食欲〇、便通〇
- 子供が帰って来ると、少し胃痛があるが前ほどではない
11回目 8月24日
肺虚証
- 調子は良い
まとめ
約4ヶ月間の治療で体調良好となりました。
最初の印象は、目に力がなく、体もやせて、とても辛そうでした。
2ヶ月目までは調子が良かったり、悪かったりで体調が安定しませんでした。
しかし、3ヶ月めに入ったころから、調子が良くなり、体調が安定してきました。
4ヶ月目には背骨のゴツゴツ感も分からない位に肉付きも良くなりました。
こちらの患者さんは、家でも私が印を付けた場所に市販のお灸をして、努力されていました。
現在でも調子が悪い時は来院されて、健康管理に気を付けられています。
産後は女性ホルモンが減少することで、気分の落ち込みや様々な体の不調が現れるようです。
産後の体調不良でお悩みの方はお気軽にお問合せ下さい。
今回は30代 女性の産後うつの症例を紹介しました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。