肩こりの原因を知りたい人
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「肩こりにはどんな原因があるか知りたい。」
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「自分で出来るケアの方法はあるかな。」
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「治療の方法には何があるんだろう。」
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている私の臨床経験は、14年ほど。
鍼灸治療で、様々な原因の肩こりを治療しています。
こういった私が、解説していきます。
肩こりの原因、10コまとめました
①睡眠用のまくら
首の骨のアーチを支えられていない為です。
首の骨は前側に反っています。
枕に頭だけ乗せていたり、枕の高さが合わなかったりすると首の骨のアーチを支えることができず、
首や肩に負担がかかります。
現在、使っている枕を見直すのも一つの手です。
オーダーメイドの枕もありますね。
しかし、「オーダーメイドの枕は値段が高いし、作るのが面倒くさい」という方は
タオルで枕の高さを調節してみるのも良いかもです。
私は大きめの枕を折りたたんだりして調節します。
また、オーダーメイドの枕を作ったけど、結局、首の痛みや肩こりが改善されなかったという声も聞きます。
こういう場合は、その他の原因が考えられますね。
②手や腕の使いすぎ
長時間の手や腕を使う作業です。
私も慣れない、パソコン作業で凝った経験ありです。
個人差はありますが、片腕の重さは約5㎏で、この腕の重さを支える筋肉は肩周辺に多くあります。
長時間のデスクワークやパソコン操作、草むしり、縫物などは肩周辺の筋肉が緊張するからです。
③スマホ
スマホを見ている時の首の角度です。
頭の重さは約5㎏。30度前に傾けると、3倍以上。60度前に傾けると5倍以上の重さが首にかかります。
そのような姿勢を続けると、首の筋肉が緊張するからです。
④眼精疲労
読書や勉強で目を酷使。
また、スマホ、パソコン、テレビから発せられるブルーライトです。
特にブルーライトは紫外線に近い光線で、近距離で長時間、浴びていると目への負担が大きいですね。
昔から目と肩こりは密接な関係があります。
肩こりが取れると目の疲れが「スッ」と取れることも多いです。
⑤頚椎・頚ずい疾患
加齢やムチウチの後遺症などです。
首から出ている神経は肩周辺→腕→手先まで走っています。
頚椎や頚ずいの異常があるとその神経に影響をあたえます。
そして、肩がこったり、肩に痛みが出たりします。
首を動かしたときに、肩や腕に「ビリッ」と痛みが走る場合はその可能性がありますね。
⑥眼の疾患
緑内障や白内障などです。
眼精疲労と同じで目と肩こりは深い関係があります。
視野が欠けているなどの症状がある場合は眼科受診をオススメします。
⑦鼻の疾患
慢性鼻炎やアレルギー性の鼻炎などです。
私は花粉症が出る時期は首や肩が痛くなることがあります。
鼻炎になると、意識的にまたは無意識に鼻をすすることがありますね。
鼻をすすると首や肩に力が入ってしまいます。
これを、頻回に行うと肩がこると考えられますね。
⑧耳の疾患
メニエール病、中耳炎、中耳に水が溜まるなどです。
耳の病気があると、胸鎖乳突筋の上から2~3cmあたりが凝ることがあります。
この凝りが間接的に肩に波及して肩がこると考えられます。
⑨歯の疾患
嚙み合わせ、噛むと歯が痛いなどです。
咀嚼筋は側頭部、顎、首の深いところにあります。
片側ばかりで食べ物を噛んだりすることで咀嚼筋のバランスが悪くなるためと考えられます。
最近は歯科関連の疾患が全身の病気と関連すると言われています。
⑩内臓疾患
消化器疾患、心臓疾患では左側、肝臓、胆のう疾患では右側が凝ることがあります。
呼吸器疾患では両方の場合もあるし、片側の場合もあります。
内臓疾患では肩だけではなく、背中や首の前側のコリも顕著に表れる場合が多いです。
背中や肩のコリがなかなか取れないときは病院受診も必要かもですね。
簡単!肩こりのセルフケア
①軽い運動
普段、デスクワークやパソコン業務等で体を動かす機会が少ない人です。
最近は特にリモートワークなどで外に行く機会が減っている事でしょう。
ウォーキングやラジオ体操などの軽い運動がいいでしょう。
適度に体を動かすと血のめぐりがよくなり、筋肉に柔軟性が出ます。
②腕や肩のマッサージ
これも、デスクワークやパソコンなどで手先や指を良く使う人です。
肩がこると肩にばかり目が行きがちです.
特に前腕の日に焼けやすい側の筋肉をほぐすことで肩こりが軽減することがあります。
長時間の車の運転の時に腕のマッサージすると肩が軽くなります。
③入浴
寒い時期に肩がこる方、夏にクーラーの効いた部屋にいることが多い方です。
40℃ぐらいのお湯に10~15分程、つかるのが良いでしょう。
副交感神経が優位になり血管の緊張が緩和されて血流が良くなります。
④ストレッチ
体の柔軟性が低い人です。
柔軟性を高めるストレッチは一つの動作をゆっくりとする方が良いです。
大体、30秒位で気持ちが良い程度に伸ばすのがいいです。
筋肉がほぐれ血流が良くなって、肩こりの緩和に役立ちます。
⑤:肩甲骨の運動
普段、腕を肩の高さより上にあげて動かす事が少ない人です。
肩甲骨は腕を上げたりするとその上げた高さに合わせて一緒に動きます。
肩甲骨やその周りには大小多くの筋肉が付いています。
それらの筋肉が動かされる事で、肩甲骨周囲の筋肉がほぐれて、肩こりの緩和につながります。
肩こりの治療法を紹介します
①医療機関の受診
肩こりがあって、左側の背中や胸が痛い、少し動いただけで息切れがする。― 循環器科、心臓血管外科
肩こりがあって、夜中に腹痛がある。― 内科、胃腸科
肩こりがあって、腕や手にしびれや麻痺がある。― 整形外科
その他にも強い症状がある場合は、その部位に応じた専門医の受診を勧めます。
一般的な肩こりにはシップや痛み止めが処方されることが多いようです。
②あんま・指圧・マッサージ(国家資格)
あんま:「おさえる」、「なでる」という手技で、血のめぐりを良くして、病気を治す方向に導く方法。
指圧:主に親指を使い、一点に圧力をかけて、症状の緩和を目的にしたもの。
マッサージ…直接ヒフに刺激を与えて、血流の改善を目的としたもの。
- 治療を目的とした、施術を受ける場合は国家資格の有無を確認しましょう。
③はり・きゅう(国家資格)
根本治療と局所治療をあわせたもの。
はり:凝っている部分に直接的に施術できるため、コリが取れやすい。
きゅう:患部を直接、温めることで血流の改善が期待できる。
- 治療を目的とした、施術を受ける場合は国家資格の有無を確認しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は肩こりの原因をまとめてみました。
- 寝具や生活習慣に原因がある。
- 筋肉や骨以外に内臓に原因がある場合もある。
- 軽い運動は肩こりの予防に役立つ。
- 麻痺や痛みがだんだん酷くなる場合は病院受診を勧めます。
肩こりにも様々な原因があることがお分かりになったでしょうか。
余談ですが「肩こり」という言葉を初めて使ったのは夏目漱石だそうです。
それではまたお会いしましょう。