咳が出る原因を知りたいですか?咳が出る病気の種類、症状などを解説します。
咳が出る病気にはどんなものがあるのだろう?咳が出始めて長くなるけど、どんな病気か気になる。
こういった疑問に答えます。
この記事を書いている私の臨床経験は、15年ほど。
鍼灸治療で様々な病気、症状を治療しています。
実際に、私は咳で悩んでいる患者さんを治療しています。
こういった私が、解説していきます。
咳が出る病気は様々です。咳が出ている期間や病気の種類を知ることで今後の参考になれば幸いです。
3分ちょっとで読めるので、肝臓の働きにはどんなものがあって、肝臓の働きに異常があるときの症状を知りたい方は最後まで読んでみてください。
1、咳が出るのはどうして?
どうして咳が出るかご存じですか?
咳は異物に対する防御反応なのです。
✔主な防御反応はこの2つ
②:体内の異物に対する防御反応
それでは解説していきますね。
外から入った異物に対する防御反応
咳というのは外から入った異物を出そうとする反射です。
異物とは・・・
- ほこり
- 煙
- 風邪のウイルス
外から入った異物を気道(咽頭や気管、気管支など)の粘膜にあるセンサーが感じます。
そうすると、その刺激が脳に伝わり、呼吸器(横隔膜や肋間筋)に指令が送られ咳が起こるのです。
こんな経験はありませんか。
咳というのは、外から入ってきたホコリや風邪のウイルスを吐きだそうとする防御反応なのです。
次は体内の異物に対する防御反応について解説します。
体内の異物に対する防御反応
咳が起こる原因のもう1つは体内の異物を外に出そうとする防御反応です。
この異物というのは痰(たん)のことです。
痰(たん)とは・・・
外から入ってきた病原体(ウイルスや細菌)やホコリをからめとったもの。
気道の炎症が強いと痰(たん)は粘り気が強くなり、それを外に吐きだそうとします。
咳はウイルスや細菌、ホコリなどをからめとった痰(たん)を出そうとする反応でもあります。
2、咳が出ている期間で分かる病気
咳が出始めてからどれくらいの時間が経ったかで、どのような病気か分かります。
急性の咳・・・3週間未満
まん延性の咳・・・3週間以上
慢性の咳・・・8週間以上
急性、まん延性、慢性それぞれの病気の種類を解説していきます。
急性の咳
3週間未満は急性の咳に分類されます。
こんな病気があります。
- 風邪
- インフルエンザ
- 急性気管支炎
この3つは誰もがかかったことがあるでしょうし、今後かかる可能性がある病気ですね。
まん延性の咳
3週間以上はまん延性の咳に分類されます。
こんな病気があります。
- 咳喘息
- アトピー咳嗽
- 副鼻腔気管支症候群
- 胃食道逆流症
- 慢性気管支炎
聞きなれない病気もありますね。
8週間以上続く咳は慢性の咳に分類されます。
こんな病気があります。
- 咳喘息
- アトピー咳嗽
- 副鼻腔気管支症候群
- 胃食道逆流症
- 慢性気管支炎
ここは、まん延性の咳と同じ病気になっていますよ。
3、咳の原因となる病気とは?8つ
咳が出る病気には主に8つあります。
ほとんどが呼吸器系に関連するものですが、中には消化器系が原因となるものがあります。
それでは1つずつ解説していきますね。
風邪
まず1つめは風邪です。
正式には「風邪症候群」と言います。
風邪の原因は80%~90%がウイルス、残りは細菌、マイコプラズマ、クラミジアです。
風邪の主な原因となるウイルスにはこんなものがあります。
- コロナウィルス
- RSウイルス
- アデノウイルス
- ライノウイルス
風邪はほとんどの方がかかる病気ですね。風邪は「万病の元」と昔から言われているので馬鹿には出来ない病気ですよ。
インフルエンザ
次は「インフルエンザ」です。
インフルエンザウィルスに感染して発症する病気ですね。
こんな症状が現れます。
- 38度以上の熱
- 頭痛
- 全身倦怠感
- 関節痛
- 咳(風邪よりも強い)
インフルエンザは風邪と違って小児や高齢者は重症化しやすいので注意が必要ですね。
急性気管支炎
3つ目は急性気管支炎です。
急性気管支炎の原因はほとんどがウイルスで、下の方の気道である気管と気管支が炎症を起こしている状態です。
急性気管支炎では・・・
- 初めは痰がからまない咳が出る
- その後は痰をともなう咳が出る
治るまでには2~3週間またはそれ以上かかることがありますよ。
咳ぜん息
4つ目は「咳ぜん息」です。
アレルギーによる炎症で気道が伸び縮みすることで、咳が出やすくなっている状態です。
✔原因としては・・・
- 季節の変わり目
- 寒暖差
- 運動
- 喫煙(副流煙)
- 雨天
- 花粉
- 黄砂
✔悪化する時間帯
- 寝る前
- 深夜
- 早朝
✔特徴
- 喘鳴(ゼイゼイ、ヒューヒュー)は起こらない
- のどの違和感(イガイガ、しめつけ感)
- 胸の前側が重い
最近、多いアレルギー性ですね。
天候や季節、大気の汚れなどが原因となり、症状が出る時間帯に特徴がありますね。
ぜん息持ちの患者さんは背中に慢性的なコリがありますよ。
アトピー咳
5つ目は「アトピー咳」です。
「アトピー咳」は咳を出すためのセンサーが過敏になっている状態です。
気道には咳受容体というセンサーがあります。これは、気道に入ってきた異物に反応するセンサーです。
この咳受容体が過敏になり過ぎると、ちょっとした刺激でも咳が出てしまいます。
こんな刺激で咳が出ます。
- 冷えた空気を吸った
- 煙を吸った
- 会話
- 運動
- 緊張
- ストレス
アトピー咳はアレルギー体質の人がかかりやすくなります。ちょっとした刺激でもアレルギーがないか調べてみるのもいいかも知れませんね。
副鼻腔気管支症候群
6つ目は「副鼻腔気管支症候群」です。
慢性副鼻腔炎(蓄膿症)と2~3か月以上続く慢性気管支炎が合わさった病気です。
副鼻腔炎になると鼻水がのどの奥に流れてしまいます。その鼻水が気管支に流れると、気管支は鼻水を異物と感じて咳がでます。
✔特徴的な症状
- 鼻づまり、鼻水、嗅覚障害などの症状がある
- 咳、痰、微熱などの気管支炎の症状がある
- 黄色や緑色の痰が多く出る
- 寝ているときや朝方に咳がひどくなる
息苦しさがなく咳が2~3か月続く、そして鼻の症状や黄色や緑色の痰が多く出る場合は副鼻腔気管支症候群が考えられますよ。
4、咳が出る重い病気、4つ
咳が出る重い病気は主に4つあります。これらの病気は重篤な症状があらわれます。
それでは1つずつ解説していきます。
肺炎
肺の中の肺胞という場所に炎症が起こっている状態です。
なぜ、炎症が起こるかというと細菌やウイルス、真菌が肺の中に感染しているからです。
✔特徴
- 高熱
- 激しい咳
このような症状が1週間近く続きます。
細菌やウイルスが肺の中の肺胞に感染します。高熱と激しい咳が1週間近く続くときは肺炎を疑い、呼吸が速くなる、呼吸困難の症状がみられる場合はすぐに専門の医療機関を受診しましょう。
肺結核
原因は結核菌です。
発病した人が咳をします。その中に含まれる菌が空中を漂い、それを免疫力の低下した人が大量に吸い込むと感染しやすくなります。
✔呼吸器症状
- 咳
- 痰
- 血が混じった痰
- 胸の痛み
✔その他の症状
- 発熱
- 冷や汗
- だるさ
- やせる
結核は感染した人の咳の中に含まれる結核菌を免疫力が低下した人が大量に吸い込むと感染のリスクが高くなります。2週間以上の咳が続く場合は医療機関を受診しましょう。
戦後は亡国病と言われた恐ろしい病気でした。
肺血栓塞栓症
肺動脈に血の固まりが詰まる危険な病気です。
別名「エコノミークラス症候群」とも呼ばれています。
太ももやふくらはぎの筋肉内にある静脈(下肢深部静脈)に血栓ができ、何らかの拍子に足の血栓がはがれて肺動脈に詰まるために起こります。
✔症状
- 呼吸困難
- 胸の痛み
- 気を失う
- 心臓が止まる
長時間同じ姿勢で過ごすことにより、脚の筋肉内にある静脈に血栓ができます。それが、何かの拍子に肺の動脈に詰まり、時には心臓が止まる大変危険な病気です。
震災により車の中で寝泊まりしていた人が発症したというのを聞いたことがあると思います。長時間、同じ姿勢でいるのが良くないようです。
肺がん
4つ目は肺がんです。
肺がんは肺の細胞が異常に増えて発生する悪性腫瘍です。
肺の細胞の遺伝子にキズが付くことで発生します。
✔主な原因
- 喫煙
- 受動喫煙
- アスベスト
- 大気汚染
- 加齢
✔主な症状
- 咳
- 痰
- 痰に血が混じる
- 胸の痛み
- 動いた時の息苦しさや動悸
- 発熱
肺がんの1番の原因は喫煙です。たばこの中の有害な物質が遺伝子を傷つけることで発症します。咳、痰に血が混じる、息切れや動悸などの症状がでます。
まとめ
①:咳が出るのはどうして?
- 外から入った異物に対する防御反応
- 体内の異物に対する防御反応
②:咳が出る期間で分かる病気
✔3週間未満の咳
- 風邪
- インフルエンザ
- 急性気管支炎
✔3週間以上または8週間以上続く咳
- 咳喘息
- アトピー咳
- 副鼻腔気管支症候群
- 胃食道逆流症
- 慢性気管支炎
③:咳の原因となる病気、8つ
- 風邪
- インフルエンザ
- 急性気管支炎
- 咳喘息
- アトピー咳
- 副鼻腔気管支症候群
- 胃食道逆流症
- 慢性気管支炎
④:咳が出る重い病気、4つ
- 肺炎
- 肺結核
- 肺血栓塞栓症
- 肺がん
咳が出るのに加えて、痰に血が混じる、胸の痛みがある、息切れ、動悸がするなどの症状が合わせて出ている場合は早急に医療機関を受診しましょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。